
CAFEC Osmotic Flow
CAFEC Osmotic Flowとは?
CAFEC Osmotic Flowとは、「濃度勾配による拡散を連続して起こし続けることで、美味しいコーヒーを抽出する。」というCAFEC式抽出理論のことを指します。
CAFEC Osmotic Flowの抽出では、湯を「粉と粉の間の濾過層の中を、連続して通過させること」がポイント。
連続して湯を通過させることにより、常に濃度勾配を発生させ、コーヒーの成分を溶け出させていきます。
湯が濾過層を通過し終える前に、濾過層が崩れないよう再度ゆっくりと注湯します。
このシンプルな動作を繰り返すことにより、コーヒーの粉とその間を通過する湯との間で常に大きな濃度勾配が発生し、スムーズな拡散を起こし続けるため、
美味しい成分がより多く抽出された液体ができるというのが「CAFEC Osmotic Flow」です。
一方「浸漬式抽出」は、粉を湯に一定時間つけるため、最初に発生した濃度勾配が時間とともに徐々に緩くなっていきます。
すぐに溶け出す成分も、溶け出すのに時間が掛かる成分も同様に抽出されます。
このためコーヒーに含まれている、あらゆる成分を抽出できるのが、良くも悪くも浸漬式抽出の特徴といえます。
どちらの抽出方法にもそれぞれ特徴はありますが、CAFECでは「誰でも美味しいコーヒーを簡単に抽出できる」という点からCAFEC Osmotic Flowを推奨しています。

濃度勾配による拡散とは?
濃度勾配による拡散とは、『濃度の異なる液体が接触した際に「濃度の濃い方」の成分が、「濃度の薄い方」の液体に濃度が一定になるまで溶け出していこうとする現象』を指します。

ハニカム構造(多孔質構造)とは?
-
-
コーヒーの粉の内部構造は、「ハニカム構造」と言われる無数の空洞が存在する構造になっています。
一般的にコーヒーの抽出を行う際は、まずコーヒーベッド全体に湯をまんべんなく行き渡らせる 「蒸らし」の工程を行います。
この時の湯量は多すぎないのがポイントで、ドリッパーから抽出液が数滴サーバーに落ちる程度が理想の状態です。
「蒸らし」をしっかり行うことで、グラインドされた豆の内部に無数に存在する「小さな空間」の内部に湯を浸透させることができます。湯が粉に触れると、毛細管現象により粉の表面から湯が空間内部に浸透していきます(乾いたスポンジが水を吸いこむイメージ)。「蒸らし」工程は約30秒を推奨しています。 この工程で、コーヒーのハニカム構造内で化学反応が起こり、新鮮なコーヒー豆からガスが発生して粉がしっかり膨らみます。
空間内に湯が染み込むことにより、粉の壁面に存在するコーヒーの成分が濃度勾配による拡散を起こし、染み込んだ湯に溶け出して粉内部にコーヒーのエキスを生成します。
「蒸らし」工程のあと、連続的に注湯を行います。連続注湯により濃度勾配を継続的に維持し、 拡散を連続して促すことで、コーヒーの溶解効率の良い成分を、より多く抽出することができます。
フィルター内の湯の流れをイメージした抽出をする
-
ハンドドリップ抽出において重要なことは、注湯の重心をイメージすることです。
平面ではなく、フィルター内でどう湯が流れているかを立体的にイメージすることが大切です。フィルター内では、コーヒーの粉の層が形成されており、注湯の量と濾過する湯量がほぼ同量に保たれると、フィルター内の圧力が均衡に保たれ、均一な抽出が可能となります。
「蒸らし」の後の2回目の注湯以降は、濾過によりフィルター内の湯と粉が中心から下方に吸い込まれていきます。 このバランスが崩れないよう湯が濾過層を通過したら、再度注湯を行い、これらの動作を繰り返すことがポイントです。この時に、完全に通過しきってから次の注湯を行うと濾過層が崩れやすくなるため、完全に通過する前に、次の注湯を行うことを推奨しています。 -
-
<分割注湯>
-
<一気に注いだ場合>
分割注湯
湯を数回に分けて注ぐと、フィルター内で圧のバランス均衡が保たれるため、コーヒーの粉の堆積層(濾過層)が厚くなります。堆積層が厚くなることにより、湯がしっかりとコーヒーの粉の濾過層を通過し、濃度勾配による拡散の効果で成分を十分に抽出することが出来ます。
一気に注いだ場合
一気に注ぐと湯面が上がり、フィルター内の圧のバランス均衡が崩れるため、厚い堆積層が形成されにくくなります。この状態では濃度勾配による拡散が十分に行われない可能性があります。
【前半】
【後半】